近時、刑事裁判では専門家証人が非常に重要になってきています。
科学が発達し、DNA鑑定などは昔に比べて精度が高まってきました。DNA鑑定の証拠が裁判に提出されたり、DNA鑑定人が裁判に出廷したりする機会は、格段に増えてきました。
防犯カメラが街中のいたるところに設置され、その画像はどんどん鮮明になってきています。画像を解析する技術も発達し、「防犯カメラに写ったのが誰なのか」という鑑定が行われるケースも増えてきました。
デジタル機器が発達し、スマートフォンやパソコンが解析されて裁判の証拠となることが増えてきました。専門家がデータを解析したり、削除されたデータを復元したりすることもあります。
これらは一例ですが、昔に比べれば、刑事裁判において専門的な分野の証拠が問題になるケースは日々増えています。検察官も専門家の証言に頼った立証をしてくることも多いです。このような検察官側の専門家を的確に弾劾するためには、弁護人の力だけでは不足があります。あるいは弁護側も専門家証人の証言によって立証したいという場合もあります。こうした場合、弁護側が適切に専門家にアクセスし、その協力を求める必要があります。
東京ディフェンダー法律事務所 山本衛