遠い地方の方から弁護の依頼を相談されることがあります。
遠い地方の事件を受けることができるでしょうか。これは、その事件の性質によっても異なります。
まず、依頼人が拘束されていて、被疑者つまり起訴前の段階では、遠い地方の事件を担当することはまず無理です。隣県でギリギリ可能、といったところだと思います。被疑者段階では、継続的な接見が重要ですし、不測の事態の変化に対応してスピーディに動かなければなりません。遠いと、そのことが圧倒的なディスアドバンテージになってしまいます。
被疑者段階でも、依頼人が拘束されていない事件では、遠い地方の事件を受任することも可能です。打ち合わせで事務所に来ていただくときに大変だったり、地方に出張の必要が出てきたりするなどの可能性はありますが、受任それ自体が全く不可能ではありません。
起訴後も拘束されている場合は依頼人との打ち合わせが困難であり、遠くの事件を受けることは簡単ではありません。また、拘束されていない場合でも、起訴後は裁判所での打ち合わせや公判期日が断続的に入るため、あまりにも遠い地方の事件を受任することは難しいかもしれません。
ただ、控訴審や上告審では記録の検討が中心になりますから、事件の内容にもよりますが、拘束非拘束に関わらず事件を受任することが可能な場合があります。実際、国選弁護でも、上告審で遠くに依頼人が拘束されていても東京の弁護士が担当しますから、事件の担当自体は不可能ではないと思います。
弁護士によってもスタンスは違うと思いますから、このサイトでの「対応地域」に書かれていないような地域にお住いの場合でも、まずはお問い合わせしてみることをお勧めします。
東京ディフェンダー法律事務所 弁護士 山本衛