最近では,様々な場所に防犯カメラが設置されています。そのため,公共の場所で起きた事件では,その状況が防犯カメラに撮影されていることも珍しくありません。
ただ,防犯カメラの画像は不鮮明な場合も多く,また,障害物などに遮られて肝心の場面が映っていないこともあります。
そのような場合には,防犯カメラ画像を専門家に解析してもらうことで,新たな事実が判明することがあります。
例えば,依頼者が車に乗りこんでいたかどうかが問題となった事件がありました。防犯カメラの動画を見ても,隣に停められた車に遮られ,依頼者が乗り込んでいるのかどうか,はっきりとは分かりません。
そこで,画像解析を依頼したところ,ある瞬間に,車のブレーキランプがわずかに点灯しているということが分かりました。その時点では,依頼者は車に乗り込んでいたということになります。
ブレーキランプの点灯は,防犯カメラを何度も繰り返し見ても気付かないようなものでしたが,画像解析により明らかになりました。
このように,防犯カメラ画像が刑事裁判の証拠として用いられることが増えた昨今,画像解析を利用すべき場面も増えていくと考えられます。
法律事務所シリウス 中井淳一