報道等では,重大事件が多く扱われますので,そういう事件が事件数としても多いと思われるかも知れません。
しかし,実際,重大事件は,数としてはごくわずかです。
平成29年の刑法犯の認知件数及び検挙人員は,以下のとおりです(数値は,平成30年版「犯罪白書」より引用したものです。件数の多い,道路交通法違反や覚せい剤取締法違反等の特別法犯は含まれていません。)。認知件数,検挙人員ともに窃盗が圧倒的に多いことが分かります。ちなみに,殺人事件は,検挙人員の総数が874件で,割合的には0.4%にすぎません。
(認知件数) 総数 915,042件
窃盗 71.6%
器物損壊 10.1%
詐欺 4.7%
暴行 3.4%
傷害 2.5%
横領 2.4%
住居侵入 1.6%
強制わいせつ 0.6%
その他 3.0%
(検挙人員) 総数 215,003人
窃盗 50.8%
暴行 12.0%
傷害 9.8%
横領 8.3%
詐欺 4.6%
器物損壊 2.5%
住居侵入 1.8%
強制わいせつ 1.3%
脅迫 1.3%
その他 7.6%
検挙人員で50.8%をしめる窃盗事件ですが,さらに手口別構成比をみると,万引き(36.8%),車上・部品ねらい(8.2%),自転車盗(6.5%)が多くなっています。
法律事務所シリウス 弁護士 菅 野 亮