被疑者の方が勾留されている事件であれば,起訴される前から,無償で国選弁護人を付けることができます。国選弁護人は原則として1人だけしかつけることができません。しかし,複雑困難な事件では,例外的に国選弁護人を複数人選任することが認められています。東京では,裁判員裁判対象事件であれば,起訴される前から複数人の国選弁護人を選任することが認められる運用になっています(ただし,傷害致死など,一部の罪名については認められないケースがあります)。
裁判員裁判対象事件などでは,公判を見据えた取調べ対応が非常に重要ですから,頻繁に弁護人が接見する必要があります。弁護人に有利な証拠について,捜査段階から収集したり,事件関係者から話を聞かなければならない場合もあります。また,起訴された場合,裁判の準備のために,弁護人は普通の事件の何倍もの量の証拠を検討しなければなりません。充実した準備をおこなって,万全の体制で公判に臨むためには,マンパワーが必要です。もし裁判員裁判対象事件で,国選弁護人が1人しかついていない場合は,複数人国選弁護人をつけるよう,弁護人と相談することをお勧めします。
2人目以降に選任される弁護人については,1人目の弁護人が直接探し出し,その内諾を得る場合が多いですが,適当な候補者がいない場合には,弁護士会などを通じて2人目の弁護人が紹介されることもあります。
東京ディフェンダー法律事務所 赤木竜太郎