犯罪を犯したことを疑われて逮捕された場合,さらに勾留という身体拘束を受ける可能性があります。
その期間は10日間で延長可能であり最大20日間です。起訴されて裁判を受けることになれば引き続き勾留が続きます。
この勾留は裁判所が認めるかどうかの判断をします。
裁判所は,勾留を認めるかどうかにあたっては,犯罪の嫌疑の他,住所不定,罪証隠滅のおそれ,逃亡のおそれという勾留の理由があるかを判断します。
勾留の理由があると判断した上で,さらに勾留の必要性があるとする場合に勾留を認めます。
勾留が認められた場合には準抗告という不服申立て手続があります。
準抗告が認められて勾留が取り消され釈放される場合,勾留の理由は認められるとしつつも勾留の必要性がないと判断される場合が多いといえます。
もっとも,勾留の必要性の判断は,勾留により得られる利益とこれにより受ける不利益とを比較衡量して判断するとされています。
そして,勾留は罪証隠滅や逃亡を防止するために認められるものであるため,勾留により得られる利益の大きさについては,事案の内容等の他,勾留の理由となった罪証隠滅のおそれや逃亡のおそれの大きさにも左右されるものといえます。
したがって,勾留がなされないように活動するにあたっては,身体拘束が続くことによる不利益の大きさとともに,罪証隠滅や逃亡のおそれがないこと等,勾留によって得られる利益が乏しいとして,勾留の必要性がないことを具体的に主張することが重要と言えます。
東京ディフェンダー法律事務所 弁護士 藤原大吾