事案の紹介
依頼者は、共犯者と共謀して、アメリカから大麻草を隠したスーツケースを持ち込んで密輸しようとしたとの嫌疑を受けて逮捕・勾留されました(大麻取締法違反、関税法違反被疑事件)。依頼者は、身に覚えのない事件であったことから、被疑事実を否認していました。
弁護活動
弁護人は、逮捕直後に依頼者の親族から依頼を受け、直ちに依頼者と接見して私選弁護人として選任されました。
弁護人は、依頼者に対して、海外からの薬物密輸事件における捜査の傾向や、薬物密輸の故意(知情性)や共謀といった法的な概念について説明しました。また、依頼者の説明を前提にした場合、取調べ対応としては黙秘権を行使するよう指示しました。弁護人は、担当検察官とも適時に連絡をとり、捜査の進捗を確認するとともに、依頼者は黙秘権を行使するつもりであるという弁護側の方針を明示した上で、早期の不起訴処分を求めました。
依頼者は、黙秘権の行使を続け、本件は嫌疑不十分であるとして、不起訴処分となりました。