ニュースなどで、懲役何年が言い渡された、とか、検察官が懲役何年を求刑した、という言葉を耳にすると思います。重いと感じられることも、軽いと感じられることもあるでしょう。
この刑の重さはどうやって決まっているのでしょうか。
まず、法律で決まっている刑があります。例えば窃盗罪であれば、1ヶ月以上10年以下の懲役、または50万円以下の罰金と決まっています。この幅の中から刑は選択されます。
法定刑は幅広いので、その中のどの位置に位置づけられるかは具体的な事件の内容で決まります。上の窃盗罪の例でいえば、単なる万引きなのか、何億円の被害が出ている組織的な窃盗なのかで全然違ってくるわけです。
その上で、被告人本人に関する事情を考えます。例えば、反省しているのか、家族はいるのか、・・・といった個別の事情です。この部分の考慮は、全体の考慮の中での影響は小さいです。ときどき「反省の態度を示さないと重くなる」という意見を聞くこともありますが、(全くの間違いではないものの)影響は少ないものです。そのような影響をおそれて、無罪の主張をためらったり、いいたいことをいえなくなってしまうのはもったいないと思います。
刑の重さは、主に罪名や、行われた行為の内容で決まるのです。
法律事務所創衛 弁護士山本衛