弁護士山本衛
■略歴
2008年3月 一橋大学卒業
2010年3月 一橋大学法科大学院卒業
2010年9月 司法試験合格
2011年12月 弁護士登録 東京ディフェンダー法律事務所入所
2020年4月 今西・山本法律事務所設立
■インタビュー
刑事弁護に興味を抱いたきっかけは何ですか?
法科大学院の時から,刑事事件に強い興味を持っていました。もともと、弱い人を助けるために弁護士になろうと思っていましたが、法科大学院での刑事事件の授業やゼミを通じて、刑事事件に問われた方がいかに弱い立場に立たされるかを知り、それがきっかけになりました。刑事事件に問われた方は、国家機関から犯罪者扱いされ、厳しい責任追及を受けます。そういった構造が生んだ「冤罪」という悲劇についても学びました。また、ほかの弱い立場の人々(たとえば犯罪の被害者、消費者、労働者・・・)は、多かれ少なかれ、世間も弱者であると認め、救いの手を差し伸べます。刑事事件に問われた方は、世間からも見放され、だれも味方がいない立場におかれてしまうことを知りました。
このような中で、彼の唯一の味方として戦う「弁護人」という役割に強く惹かれ、それ以来刑事弁護を志すに至りました。
担当した中で一番心に残っている事件は何ですか?
1年目に受任した事件で、私が初めて無罪判決を獲得した事件です。
その事件は、私の司法修習時代の同期生とともに受任した事件でした。性犯罪の疑いをかけられた依頼人が一貫して無実を訴えていた事件でした。
検察官は彼を起訴し、弁護人として裁判を戦いました。そのころはまだ経験の浅い私たちでしたが、先輩弁護士らに教えてもらった技術を駆使し、様々な工夫を凝らして無罪獲得のための弁護活動を行いました。実際に無罪判決となり、安堵した依頼人の顔は今でも忘れられません。
先輩と一緒にやった事件ではなく、同期生の自分たちだけであれやこれやと試行錯誤しながら獲得できた無罪事件でしたので、若い自分たちにはとても自信になる事件でもありました。その意味でもとても心に残っています。
これまでの主要な成果はどんなものがありますか?
これまで,公判での無罪判決を6件獲得しました。そのほか,相当の減刑が実現した事案,実刑求刑に対する執行猶予,再度の執行猶予などの成果があります。上訴事件でも,事実誤認,量刑不当での破棄判決を相当数獲得しています。
事件の弁護以外に力を入れていることは?
若手弁護士の力で今の刑事司法,刑事弁護の現状を変えていきたいと思っています。そのために様々な活動をしています。近時,K-BenNextGenという団体を設立し,その代表をさせていただいています。私もそろそろ「若手」と呼ばれるにふさわしいか微妙な年次になってきましたが(笑),どんどん新しい取り組みにチャレンジしていきたいです。
刑事事件以外で注力していることはありますか?
スポーツ法務に特に関心があります。私は中学時代からずっとテニスをやっています。大学では体育会のテニス部に所属し、毎日のように練習に明け暮れていました。そんな縁もあり,弁護士になってからも,テニス関係者の方の顧問弁護士をさせていただいたり,各種テニス関係団体に法律家として関与できる機会に恵まれました。そして,こうしたフィールドで自分の専門性をどんどん発揮していきたいと思うようになりました。
前事務所から独立したきっかけは?
前事務所である東京ディフェンダー法律事務所は,とても素晴らしい事務所です。もう手前みそではないので言いますが,刑事事件の弁護に関しては明らかに日本トップクラスの法律事務所だと思います。ここでたくさんのことを学び,刑事弁護の腕を磨けたことを誇りに思います。事務所を離れるのは寂しい思いもありましたが,刑事事件だけではなく,もっと新しいことにいろいろチャレンジしたいと思い,独立を決意しました。
刑事事件をご依頼される方へ
特に事実を争う事件,裁判員裁判,上訴事件のご依頼を歓迎します。常に戦い,結果を追い求めます。犯罪を疑われ悔しい思いをしている方,一度,お話を聞かせてください。