事案の紹介
認知症を患った依頼者が、自動車の車体に傷を付けたとして、逮捕された事例。
逮捕は、事件から約1ヶ月経過後であり、依頼者は、被疑事実について身に覚えがないとして否認していたが、防犯カメラ画像等の証拠があったケース。
弁護活動
逮捕直後に、当番弁護士として接見し、受任しました。
依頼者は、軽度から中等度の認知症を患っており、自分がなぜ逮捕されているかも、理解することが難しい状況でした。
弁護人は、初回接見の直後に検察官に面談したところ、検察官としては、依頼者の精神状態を考えると起訴は避けたいが、一方で、適切な監督者が見つからない場合に依頼者を直ちに釈放することは躊躇されるという考えを示していました。
弁護人は、地域包括支援センターの職員と連携し、ケース会議を重ね、受入先となる高齢者施設を探しました。また、依頼者の家族とも連絡を取り、入所手続等について家族のサポートを得ることができるようになりました。
上記のような環境調整ができたことで、検察官は依頼者を不起訴処分として釈放しました。