弁護事件例

2016.06.17 【強盗・恐喝】強盗殺人

強盗殺人で死刑判決が破棄され無期懲役となった事例

減刑
裁判員
原審破棄

事案の紹介

 マンションの一室に侵入し,寝ていた家人を包丁で刺殺した上金品を強取したとして裁判員裁判で行われた第1審において死刑判決が下されていた。

弁護活動

 本件では争点が多数あるのですが,死刑の適用という量刑も争われていました。
 依頼人には,20年前の殺人前科がありました。第1審判決は殺人の前科を重視して死刑判決を下しました。
 控訴審でも引き続き国選弁護人に選任され,死刑判決が重すぎて不当であることを主張しました。
 具体的には,前科とは,今回の事件の犯罪そのものとは関係のない事情(いわゆる一般情状)であり,そのような事情が刑を大きく左右するのは不当であるというものです。
 基本的には犯罪そのものに関わる事情(犯情といいます),すなわち,犯行に至る経緯,動機,行為態様,結果などが量刑を決める上での中心です。同じような悪いことをしたのに,人によって刑が重くなったり軽くなったりするのは不公平だからです。
 この事件でも,過去の量刑を調査し,同じような事件では死刑が適用されないことを訴え,控訴審では破棄されて無期懲役となりました。