事案の紹介
本件は被害者に恨みをもつ実行犯が路上で襲い怪我をさせたという事件でした。依頼人はその指示をし共謀したとして逮捕された。
弁護活動
この事件では実行犯が被害者を襲ったことに争いはありませんでした。
本件での依頼人の主張は全く身に覚えがないというものでした。
問題は依頼人と実行犯の間で共謀が認められるかどうかです。
共謀が認められるかどうかは,事前にどのような話し合いをしたか,事件にどのように関わったかで決まってきます。
しかし逮捕されてしまったことを考えると,実行犯や関係者が,依頼人が共謀していたことを窺わせる事実を捜査機関に話しているのではないかと考えられました。このような場合は,被害者との関係,実行犯との関係,実行犯との接触の有無・内容等を正確に思い出してもらい,捜査機関に虚偽を述べているであろう人物の供述内容のどこが間違っているかどうかを慎重に吟味しなければなりません。
実行犯は自らが罪を犯しているため,少しでも自分の罪を軽くしようと他人を巻き込むことがあります。
捜査段階では,誰がどのような話をしているのかは弁護人が知ることが困難です。どのような捜査が行われているかを適切に推測しながら弁護活動をしていく必要があります。