事案の紹介
恋人との日本への旅行中、ケンカになり、恋人を殺害したという事件
弁護活動
殺人事件は裁判員裁判の対象事件です。
裁判員裁判の対象事件については、裁判の前に、公判前整理手続という争点や証拠の整理のための手続があります。
その中では、検察官から弁護人に対し、膨大な証拠が開示されます。
検察官から、任意に相当数の証拠が開示されますが、それでは十分ではないのが通常であり、弁護人から検察官に対し、「このような証拠を開示してほしい」と特定する手続が行います。
そのため、弁護人にとって有利な証拠を見逃さないようにするためには、この証拠開示の請求を適切に行うことが不可欠です。
この事件でも、開示された証拠の中に、従前の依頼人と被害者との関係を示す証拠が含まれていたことから、それを裁判で調べてもらうよう請求しました。
そして、弁論などでも依頼人にも考慮していただきたい事情があることを裁判官・裁判員に伝えられるよう努めました。
その結果、被害者との従前の関係性からすると、依頼人の方にも考慮すべき事情があると認定され、検察官による求刑が懲役18年であったのに対し、判決は懲役15年となりました。