公判前整理手続(こうはんぜんせいりてつづき)は,法廷での審理(公判)をする前に,争点と証拠の整理をする手続です。
検察官と弁護士との間で何が争いとなるのか,その争点を判断するためにどういった証拠を調べ,どういった人の証言をどのくらいの時間聞く必要があるのか等を整理し,法廷での審理計画を立てます。
裁判員裁判は,必ずこの公判前整理手続を行うことになっています。
様々な仕事や生活がある一般の市民の方から裁判員になってもらい,裁判官と一緒に法廷で証拠を見て,証言を聞いた上で,評議を行い,有罪無罪や刑の重さを決めることになります。
このため,審理計画を立てることが不可欠となるからです。
公判前整理手続では,弁護士に,検察官の証拠を開示させる権利が認められています。
検察官が,まず弁護士に見せるのは,検察官が裁判で取り調べてもらいたいと考える,被告人を有罪とするための証拠,重く処罰するための証拠です。
しかし,警察,検察は,こうした証拠以外にも様々な証拠を集めています。
被告人にとって有利な証拠や,検察官にとって有利な証拠の信用性が問題となるような証拠が他にもある可能性があります。
弁護士が,法律の規定や解釈を十分に理解して証拠開示請求をし,他の証拠も十分に開示されるようすることがとても重要です。
東京ディフェンダー法律事務所 弁護士 藤原大吾