起訴され刑事裁判が開かれることになった場合,弁護士を付けなくても裁判は受けられるのでしょうか。
この点について我が国の刑事手続では,一定の重大な事件(法定刑が死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁錮に当たる事件)等では弁護人がいなければ裁判を開くことができないと定められています(これを必要的弁護事件といいます)。
従って,一定の重大事件では本人が私選の弁護士を選任しない場合や,国選弁護人もいらないと言っていたとしても,必ず国選弁護人が選任されることになります。
また,必要的弁護事件以外の場合でも,本人が希望すれば国選弁護人を選任することができますし,本人が希望していなくても権利擁護のため裁判所が職権で国選弁護人を選任しているケースがほとんどで,弁護人なしで刑事裁判を行っているケースはめったにありません。
国選弁護人を誰にするかは基本的に選ぶことができません。
それぞれの都道府県等にある弁護士会で,国選弁護を担当してもよいという弁護士の名簿が作成されており,その中から選ばれることになります。
国選弁護人に登録している人の中には熱心な活動をする弁護士もたくさんいますが,残念ながらそうではない弁護士もいるのが実情です。どの弁護士が選任されるかは運というしかありません。
ただ,刑事裁判は極めて専門的な領域で,刑事訴訟法に関する知識がなければ自分の権利を主張していくことは難しいです。
刑事裁判を受けることになったら,とにかく自分の弁護士とよく相談しましょう。
東京ディフェンダー法律事務所 坂根真也