第1審で保釈が認められている状態で,実刑判決が言い渡されると保釈は当然に失効します。
そのため,判決の日に収監されることになります。
このとき再保釈の申請をすることができます。
判決の日に再保釈の申請をした場合,その日のうちに外に出てこられることもあれば,一旦拘置所に収監されることもあります。地域や事案の重大性により裁判所の判断に時間を要することになれば,一旦は拘置所に行くことになります。
また,第1審で保釈が認められていたからといって,当然に再保釈が認められるわけではありません。
法律上は第1審での保釈が(罪名によりますが)権利保釈という制度があります。一定の事由に該当しなければ保釈を認めなければならないと規定されていますが,実刑判決が下されるとこの権利保釈は認められず,裁量保釈しか認められません。
実刑の年数や,事件の内容(否認か量刑か,証拠の内容等)によって,再保釈が認められないことも珍しくありません。
また保釈が認められた場合でも,第1審で納めていた保釈金の上積みを求められることが通常です。上積みは第1審保釈金の3~5割くらいが多いようです。
国選弁護の場合,基本的に第1審の判決言い渡しまで選任され活動することになります。第1審の判決から控訴審における国選弁護人が選任されるまでは若干の時間が掛かりますので,再保釈を希望する場合には第1審の国選弁護人に予め相談して判決と同時に請求してもらう準備をしてもらいましょう。
東京ディフェンダー法律事務所 坂根真也