刑事弁護ブログ

2017.07.12 刑事弁護コラム

覚せい剤密輸の刑の重さ

千葉県では,成田空港があるため,海外から覚せい剤を航空機で密輸しようとして摘発されるという事件が頻発します。覚せい剤は,スーツケースの内側などに巧妙に隠されていることが多いのですが,税関でのX線検査等により見抜かれ,摘発されます。
覚せい剤密輸罪に対する刑の重さは,最高で無期懲役とされています(海外では,死刑になる国もあると聞きます。)。実際には,無期懲役刑が科される例はほとんどありませんが,有罪となれば実刑判決は避けられません。
覚せい剤を実際に日本に持ち込んだ人物が処罰される場合,科される刑の重さは,持ち込んだ覚せい剤の量と,概ね比例することになります。持ち込んだ量が少なければ刑が軽く,持ち込んだ量が多ければ刑が重くなる傾向があります(果たして,そのような量刑の決め方が適切なのかは,別の問題として。)。
具体的な刑の重さとしては,6年から11年程度の幅の中で科されること例が大半を占めています。

法律事務所シリウス 中井淳一