刑事弁護ブログ

2017.10.11 刑事弁護コラム

「可視化」(取調の録音・録画)の話

2016年に刑所訴訟法が改正され、一定の事件(裁判員裁判対象事件や検察官独自捜査事件など)については、取調べの全ての状況(取調室に入ってから取調べが終わるまで)を録音・録画することが義務付けられました(この法律が実際に施行されるのは2019年6月予定です。)。
現在も、いくつかの事件類型では、取調べの録音・録画が実施されており、その映像が刑事裁判の証拠として使われるというケースも少なくありません。取調べを録音・録画する最も重要な目的は、警察や検察官が、違法或いはアンフェアな取調べを行うことを防ぎ、ひいては冤罪を防ぐことにあります。
従って、本当の意味で取調べが「可視化」(見える化)されたというためには、全ての事件での取調べ録音・録画が必要です。さらに言えば、これまで日本で長く続いてきた、取調べ(自白)に頼った捜査手法そのものを見直すべき時期に入ったといえるでしょう。

法律事務所シリウス 虫本