裁判の報道の中で、被告人の服装について言及されていることが多々あります。
「被告人は、グレーのスーツに白いシャツ、紺色のネクタイで出廷しました」
などというニュースを聞いたことがあるかもしれません。
被告人がネクタイをしているとき、その色はしばしば紺色です。
なぜか。
それは、貸出しのネクタイが紺色しかないからです。
身体拘束されておらず、自宅から裁判所に行ける場合、もちろん、ネクタイは自由です。
それに対して、身体拘束されている場合、自身のネクタイを持ち込むことも、着用することもできません。
ネクタイに限らず、自傷行為につながるような長いヒモ状のものを持ち込むことができないのです。
昔は、身体拘束されている際の服装(ジャージ等)のままで出廷されるケースが多かったのですが、最近はスーツでの出廷が増えております。
もし服装ゆえにパッと見の印象が悪くなり、判断に影響するようなことがあれば問題があるからです。
裁判員裁判が導入されてからは、ネクタイ(状のもの)と、紳士靴(風のスリッパ)を借りることができるようになりました。
身体拘束されている方がネクタイを使用している場合はすべてこの貸出しのネクタイです。
そのため、「なぜか紺色が多い」という現象につながるのです。
東京ディフェンダー法律事務所 弁護士 久保