突然、裁判員の候補者になったから裁判所に来てほしい、と通知が来たら、驚かれるでしょう。
仕事はどうしよう、家族はどうしよう、大学はどうしよう、いろんなことを考えて悩まれるかもしれません。
平成30年5月頃には、「裁判員候補者の辞退率増加や選任手続きへの出席率低下が続いており、昨年1年間の辞退率は過去最高の66.0%、出席率は過去最低の63.9%となった。」という報道がありました。
呼出しを受けた裁判員候補者が正当な理由なく出頭しないときは裁判所の決定で「10万円以下の過料」に処することができると定められていますが、今までにこの過料の決定がなされた例はありません。
少なくとも、当面の間は、出頭しなくても、過料が科される可能性は低いでしょう。
ただ、裁判員裁判の弁護活動を行う弁護士としては、ぜひ多くの皆さんに出頭していただきたいというのが率直な気持ちです。
というのも、出頭する人数が減れば減るほど、職業や年齢のばらつきが減る可能性は高くなるでしょう(もちろん、抽選なので、ある程度、ばらつきますが)。
国民の感覚を反映するというのが裁判員裁判ですから、多様な候補者の方から抽選で選ばれるべきだと思います。
もちろん、それそれの方にいろんな事情があるので、やむを得ず欠席されることもあると思います。
ただ、もし、「行けるけどめんどくさい」「ちょっと怖いからやめておこうかな」ということであれば、とりあえず、呼び出された日には行ってみていただけませんか。
弁護士も検察官も裁判所も、裁判員の方にできるだけ負担をかけないよう、打合せを重ね、分かりやすい証拠となるように工夫をし、法廷でも分かりやすい活動を行うよう努力しております。
東京ディフェンダー法律事務所
弁護士 久保有希子