捜査官はしばしば行き過ぎた捜査をします。任意捜査と言いながら,長時間付きまとったり,身体に触れて行動を制限するなど,明らかに任意捜査として許容される範囲を超えた捜査が頻繁に行われています。このような捜査の違法性を,証拠に基づいて適切に主張することは弁護人の重要な役割です。
捜査の違法を主張する上での最大のネックは,証拠収集です。行き過ぎた言動について,警察官は認めません。公判廷で尋問しても,否定することがほとんどです。もちろん違法捜査の対象となった被疑者被告人の方の供述も重要な証拠になりますが,決定的な証拠にはなりません。
ここで客観的な証拠が大きな武器となります。防犯カメラ映像や,車のドライブレコーダーなどに警察官の言動が記録されている場合のほか,違法捜査の最中にスマートホンで録音録画したデータが威力を発揮することがあります。多少不鮮明であったり,映像が途切れ途切れでも,問題となる発言が記録されていれば動かぬ証拠になり得ますし,当時の状況を推測させる手掛かりになります。
違法捜査に直面した場合は,すぐに弁護士に連絡するべきことは勿論ですが,なるべくスマートホンで警察官の言動について録音・録画することをお勧めします。また,そのような録音録画のデータを保存している方は,絶対にそのデータを消してしまうことがないよう,早めに弁護士に相談し,保全しておくことが重要です。
東京ディフェンダー法律事務所 赤木竜太郎