刑事弁護ブログ

2019.11.20 刑事弁護コラム

刑事裁判の判決書入手

刑事裁判の判決書は,何もしなくても裁判所から渡されたり,郵送で送られてきたりするものではありません。
判決書を入手するためには,裁判所に対して判決書謄本の交付を請求する必要がありますし,判決書の枚数に応じて印紙代がかかります。
また,判決は,公判廷において宣告によって告知するとされているところ(刑事訴訟法342条),必ずしも,判決書の正本に基づいて宣告することは必要ないとされています。
このため,判決が言い渡されてすぐに判決書謄本が入手できるとは限りません。
入手に日数がかかることも十分考えられます。

これに対して,第一審判決に対する控訴の申立て期間は,判決言い渡しの翌日から14日以内に行う必要があります。
そして,控訴審においては,第一審の判決内容に対し,事実誤認,法令適用や刑事訴訟手続の誤り等の控訴理由があることを具体的に指摘する必要があります。

第一審で有罪判決を受けて控訴するかどうかを検討するにあたっては,すみやかに判決書を入手するようにする必要があるとともに,判決書謄本の入手に時間がかかる場合もあることから,判決の言い渡し内容をよく聞いて把握しておく必要があると言えます。

東京ディフェンダー法律事務所 弁護士 藤原大吾