「刑事事件に強い弁護士」と検索してみてください。
たくさんの弁護士や法律事務所のウェブサイトがヒットします。そのサイトをクリックしてみてください。「実績多数」「経験豊富」などなど,頼みたくなるような広告の文書が目に留まります。
しかし,これらも多かれ少なかれ広告であるということに注意をしなければいけません。その意味ではこのウェブサイトも広告ではあるのですが,このウェブサイトは,広告が立ち並ぶ中でいかに良い弁護士選びをするかをコンセプトにしています。
刑事事件は,「実績」が多数あるから同じように解決できるという性質の事件ではありません。1件1件,事情は違います。同じような事件でも,1件1件で処分が違う,刑の重さが違うということは全く珍しくありません。その事件で正しい弁護活動をして,結果を出せるかどうかが問題です。「経験豊富」であることは重要かもしれませんが,それは事件の件数を多くこなしていることや,同じような事件を経験しているという意味で重要なのではありません。
重要なのは弁護活動の中身です。
このウェブサイトでは,優れた弁護活動がどういうものかを記述しました(「プロフェッショナルの弁護活動」の項目をお読みください)。こうした弁護活動の中身について触れた法律事務所のサイトは多くありません。私たちの目から見れば,弁護士であれば当然に同じような結果を出せる事件を「実績」と謳い,そういう事件をたくさん経験しているから「経験豊富」と宣伝している,中身がないと感じられる法律事務所の広告も,多く見られるのが現状です。
「刑事事件に強い弁護士」とは何か。それがもっとインターネット上でも議論され,正しい情報が消費者に伝わるようなマーケットになってほしいものです。
東京ディフェンダー法律事務所 弁護士山本衛