刑事弁護ブログ

2020.06.03 刑事弁護コラム

休日,弁護人は,面会できますか

金曜日の夜に逮捕されてしまったような事件では,直後の土曜日・日曜日に面会をして事情を把握しなければなりません。

 一般の方の面会は,平日の日中の時間帯しかできませんが,弁護士は,土曜日・日曜日でも,警察署に留置されている場合,面会(接見)することができます(既に弁護人に選任されている場合でも,これから依頼を受ける段階でも面会できます。)。

 夜遅い時間でも,警察署での面会(接見)は可能です。ただし,警察署では,夜9時頃に消灯,就寝時間となっているため,夜遅い時間帯の面会だと,寝ているところを起こしてしまうことになりますし,睡眠薬を服用している場合などは,もうろうとしていることも多く,事情を把握できない場合もあります。

 警察署ではなく,拘置所や刑務所等にいる場合は,土曜日・日曜日は,警察署のように自由に面会することが困難です。

 拘置所等は,刑事収容施設法118条が「未決拘禁者の弁護人との面会の日及び時間帯は,日曜日その他政令で定める日以外の日の刑事施設の執務時間内とする」と規定しているため,原則として弁護人であったとしても,土曜日・日曜日・祝日や夜間の時間帯に面会することはできません。

 ただし,裁判の期日が近い時,どうしても土曜日や夜間に面会して打ち合わせが必要な時があります。この点は,法務省と日本弁護士連合会が,平成19年3月13日に一定の取り決めをしており,一定の要件を満たす場合,土曜日の午前中や平日の夜間(午後5時~午後8時まで)に面会(接見)することが可能です。

 取り決め上は,面会希望日から起算して2週間以内に公判期日が指定されている場合には,土曜日の午前中の面会が可能ですし,面会希望日から起算して5日以内に公判期日が指定されている場合には,夜間の面会(接見)が可能となります。ただし,取り決め上,面会が可能な時間帯であっても,事前に予約をすることが条件とされていますので,突然,面会に行っても面会を拒否されることが多いです。

法律事務所シリウス 弁護士 菅 野  亮