裁判員裁判では，３人の裁判官と６人の裁判員（プラス，２～３人の補充裁判員）による審理が行われます。おそらく，これまでに実施されたすべての裁判員裁判において，裁判官３人：裁判員６人という人数構成になっています。
しかし，法律上は，このような人数構成は絶対的なものではありません。一定の場合には，１人の裁判官，４人の裁判員により裁判員裁判を実施することが認められています。
どのような場合かというと，「公訴事実について争いがないと認められ，事件の内容その他の事情を考慮して適当と認められるもの」については，裁判官が１人だけの裁判員裁判を行うことができるとされています（裁判員法２条３項）。
本コラム執筆時点では，このような制度は活用されていないようですが，法律に定めがある以上，今後議論の対象になることがあるかもしれません。
法律事務所シリウス 弁護士 中井淳一