証人尋問の中で,「異議あり!」と威勢よく弁護人が立ち上がる。ドラマやゲームでよく見る場面です。そして,実際の法廷でも,尋問に対して適切に異議を申し立てるということは非常に重要です。
法廷では,検察官による,訴訟法や規則に反する尋問や,不相当な尋問が横行しています。重要な点について,証人を誘導したり,そもそもその証人が証言する資格があるかも明らかになっていないにもかかわらず漫然と質問する,といった尋問は特に多く見られます。単に規則に違反するというだけでなく,このような尋問を放置することは,裁判官に事件の真相を誤解させ,弁護人が求める結論に達することを妨げます。
このような違法,不当な尋問については,直ちに異議を申し立て,質問を制限させたり,撤回させる必要があります。徹底的に争う公判では,検察官の尋問に,端的かつ正確に異議を申し立て,その場で裁判官を説得する能力が求められるのです。
東京ディフェンダー法律事務所 赤木竜太郎