犯罪を実行した場合,原則として正犯となり,複数の人間で実行した場合には共同正犯となります。
共同正犯が成立すれば,他の者がやった行為についても責任を負うことになります(一部実行全部責任の原則といいます)。
これに対し,正犯ではなくて,他人の犯罪を手助けしたにすぎないような場合には,従犯として幇助犯が成立します。
幇助犯は,正犯の刑の半分となります。
正犯か幇助か,というのは,量刑を決める上で決定的に重要な要素であり,裁判でも争われることが多くあります。
一般的には実行そのものを分担していた場合には正犯となりますが,実行せずに関与していた場合が問題になります。
実行していなくても,背後の黒幕で指示していたなどというの場合には,正犯だと見なされますが,単に道具を用意しただけ,とか,運転手だった,とか,計画立案の首謀者でない関与者の場合には,正犯なのか幇助なのかは,一律には決められません。
その犯罪の計画立案,あるいは実行の過程において,自己の犯罪として重要な役割を果たしたかどうか,という観点から判断されることになります。
東京ディフェンダー法律事務所 坂根真也