違法不当な取調べが後を断たないことから,平成20年,被疑者取調べの適正化のたえの監督に関する規則が定められました。
そこでは,取調べにあたって被疑者の人権に配慮しなければならないこと,被疑者取調べの監督官を各警察署に指名しなければならないことが定められています。
また,被疑者取調べについて,苦情等がなされた場合には,取調官に通知しなければならず,一定の場合には調査義務を課しています。
被疑者取調べ適正化のための監督に関する規則 第10条
警察本部長は、被疑者取調べについての苦情、前条の報告その他の事情から合理的に判断して被疑者取調べにおいて監督対象行為が行われたと疑うに足りる相当な理由のあるときは、取調べ監督業務担当課の警察官のうちから調査を担当する者(以下「取調べ調査官」という。)を指名して、当該被疑者取調べにおける監督対象行為の有無の調査を行わせなければならない。
捜査機関による被疑者の取調べは,時に行きすぎとなり,違法不当な圧力となって自白を迫ることがあります。
このような取調べに対し,弁護人が適切に苦情を申し立てることにって,以後の不当な取調べを防止し,あるいは,既に不当な取調べのもとで作成されてしまった供述調書について,任意性・信用性を否定する根拠となります。
東京ディフェンダー法律事務所 坂根真也