2020年9月,法制審議会-少年法・刑事法(少年年齢・犯罪者処遇関係)部会は,少年法が適用される年齢を現行の20歳未満から18歳未満に引き下げることの是非等を含む法務大臣からの諮問内容についての答申案を決定しました。
報道等では,少年法の適用年齢との関係で,18歳・19歳の事件の取扱いなどが注目されていますが,今回の答申案には,成人の刑事裁判全体にも影響する可能性のある内容がいくつも含まれています。
例えば,「自由刑の単一化」(現行の「懲役刑」と「禁錮刑」を「新自由刑」(名称は未定)という単一の刑にする),「再度の執行猶予を言い渡すことができる刑期の変更」(現行の「1年以下」を「2年以下」に引き上げて,2回目の執行猶予を付けやすくする。),「猶予期間経過後の刑の執行」(これまで執行猶予期間中に犯罪を行っても,判決の確定が猶予期間内であれば執行猶予の必要的取消し事由にはならなかったところ,これを猶予期間内に起訴されていれば上記事由にあたるとするもの。刑事裁判用語(隠語)でいう「弁当切り」をさせなくするというもの。)といったものです。
この答申案の内容は,2021年の通常国会で審議される予定となっていることから,その推移が注目されます。
法律事務所シリウス 虫本