現在の日本の刑事司法制度の中では、逮捕後、勾留決定が出るまで国選弁護人を選任することができません。また知り合いの弁護士がいたとしても、連絡先がわからなければ、すぐに呼べないこともあります。
そこで、各弁護士会は当番弁護士制度を設けています。逮捕後に一度だけ、無料で弁護士を呼ぶことができ、法的なアドバイスをもらうことができる制度です。
逮捕されたご本人が、警察官に対して当番弁護士の派遣を依頼することもできますし、ご家族等から各都道府県の弁護士会に対して当番弁護士の派遣を依頼することもできます。
弁護士を選ぶことはできません。ですが、逮捕後は警察官や検察官からの取調べが続きます。逮捕後、早期の段階で弁護士から法的なアドバイスを受けられる機会は極めて重要なものです。
資力のない方の場合は、勾留決定がなされるまでの間、刑事被疑者弁護援助制度という日本弁護士連合会が設けている資金的な援助制度を利用して、国選弁護人が選任されるまでの間の弁護士を依頼することも可能です。
こういった援助制度を利用した後に、勾留決定がなされず身体拘束から解放された場合、その後も援助制度の下で弁護士からの支援を受けることができます。
現在の制度の下では、突然逮捕された場合には、まず当番弁護士制度を利用してみるのが有用です。
東京ディフェンダー法律事務所 開原早紀