事案の紹介
依頼人が交際相手を殺害したと疑われた事件。依頼人は、殺害していないと主張していた。
弁護活動
この案件は、依頼人が交際相手を殺害したと疑われた事件でした。
依頼人の有罪を直接示すような証拠はなく、もっぱら被害者とされている人物の遺体から医学的にどんなことが言えるか、という点が問題になりました。
検察官は、遺体のうち特定の所見を重視して被害者が窒息したという主張をしていました。当該所見は窒息に特有のものではありませんでしたが、第一審裁判所は検察官の主張を容れて依頼人を有罪としました。
控訴審では、第一審判決の事実認定が不合理であることを示すため、さらにたくさんの専門的な文献を分析し、他の専門家にも協力してもらうなどして、原判決には事実誤認があると主張しました。
多くの事実が証拠調べされた結果、高等裁判所は、弁護人の主張どおり、第一審判決には事実誤認があるとして破棄しました。