事案の紹介
依頼者が、営利目的で覚醒剤や大麻を所持していたとして起訴された事案
弁護活動
担当弁護士は、私選弁護人として受任しました。
依頼者は、自分の自動車内に、相当量の覚醒剤と大麻を入れていたところを逮捕・起訴されました。検察官は、依頼者と知人のメッセージの内容や覚醒剤、大麻の量などから、これらは営利目的で所持していたものであると主張していました。依頼者と弁護人の主張は、覚醒剤は知人から預かったものであり、大麻については売買をしたことはなく、自己使用目的で所持していたに過ぎないというものでした。また、捜査の違法性も問題となりました。
弁護人は、大麻や覚醒剤の保管状況に着目し、これを写真を用いて被告人質問で詳細に明らかにすることによって大麻については、売買用に保管されていたとは言えないことを主張しました。
裁判所は、大麻の所持については弁護人の主張を認め、大麻と同じカバンに被告人自身の使用した注射器が入っていたことや、発見されたパケにはラミネート加工された跡があったところ、そのようなラミネート加工に用いる器具等が被告人の所持品から発見されていないこと等を根拠に、大麻の量が比較的多量であっても、大麻の所持については被告人が自分で使用する目的であったとの可能性が排斥できず、営利の目的があったとまでは認められないと判断しました。