弁護事件例

2016.05.16 【暴行・傷害】傷害致死

知的障害のある依頼者が起こした傷害致死事件で,9年の求刑に対して7年の懲役が言い渡された事例

裁判員

事案の紹介

知的障害を有する依頼者が,共犯者と共に,被害者を鍋で殴ったり背中に飛び乗ったりする暴行を加えて死亡させた。

弁護活動

国選事件として受任しました。
受任当初から,依頼者が知的障害を有していることが判明したため,そのことを踏まえた弁護活動を行いました。
まず,訴訟の準備を進める段階で,国選弁護人2名と社会福祉士でチームを組み,依頼者の障害特性が事件に与えた影響について検討したり,依頼者の社会復帰後の更生環境を整える活動などを行いました。
そして,裁判員裁判の公判では,依頼者が,障害特性から共犯者に同調して犯行に加わってしまったことや,社会復帰後の適切な支援が用意されていることなどを主張・立証しました。社会福祉士の方には,証人として,依頼者のために証言をしてもらいました。
判決の内容としては,弁護人の主張を認める部分も多くありましたが,検察官の求刑(懲役9年)からの大幅な減軽までは認められず,懲役7年の判決が下されました。