弁護事件例

2016.06.17 【強盗・恐喝】強盗・強制性交等(致死)

強盗強姦事件で,検察官の求刑からの大幅な減軽が得られた事件

減刑
裁判員

事案の紹介

 深夜に団地の駐車場で女性を襲い現金を奪ったという強盗強姦致傷事件で,弁護人から過去の量刑傾向を踏まえた意見を述べ,検察官の懲役10年の求刑に対して懲役6年6月の判決が下された事例

弁護活動

 国選事件として受任しました。
 事件は,依頼人が,深夜に団地の駐車場内で女性に声を掛け,その場で乱暴をしてしまったというものです。女性が抵抗したため強姦の既遂には至りませんでしたが,依頼人は,女性から現金も奪っていたため,強盗強姦事件として起訴されることになりました。
 強盗強姦事件は,裁判員裁判の対象となります。性犯罪は,当然重大な犯罪ですが,特に,一般の裁判員の方にとっては,非常に悪い印象をあたえるものです。実際に,裁判員裁判が導入された後,性犯罪については量刑が重くなっている傾向があるとされています。
 この事件でも,事件内容の悪質性も踏まえ,裁判員からは厳しい意見が出されることが予想されました。一方で,裁判員裁判が導入される前の過去の裁判では,同種の事件について,それ程重い刑とはならなかった事例も散見されました。
 そこで,公判では,弁護人から,過去の量刑も踏まえて適切な刑の範囲に止めるべきであることを主張し,懲役4年の刑が相当であるとの意見を述べました。
 一方,検察官の求刑は,予想どおり重いもので,懲役10年でした。
 結果的に,判決は,懲役6年6月となりました。弁護人の意見がすべて認められたわけではないものの,検察官の求刑と比較すればかなり減軽された量刑であり,弁護人の主張が認められた部分もあったと考えています。