事案の紹介
会社ぐるみの投資詐欺をしたとされた事案で、控訴審で原審が破棄され、減刑された事案
弁護活動
事件は、会社ぐるみで投資詐欺をし、数千万円を詐取したというものでした。
依頼人としては、詐欺の認識は全くなかったという主張でしたが、捜査段階で受任されていた私選の弁護人からすすめられて「自白」をしてしまった調書が複数作成され、有罪判決となっていました。
控訴審で国選弁護人として受任し、改めて、証拠を検討し直し、主張を整理しました。
投資は、その仕組みが複雑であることから、裁判においても、裁判官や検察官が十分にその仕組みが理解していないことが少なくありません。
この事件においても、１審の判決を検討すると、投資の仕組み自体を全く誤解した認定がなされていました。
そこで改めて、投資の用語１つ１つを説明するところから控訴趣意書を作成しました。
同時に、結果として会社の詐欺に関与したことは事実であることから、数千万円という全体の金額からすれば極めて低額ではあるものの、被害者の方に弁償をさせていただく活動も行いました。
被害者の方も、依頼人の立場に一定の理解を示して下さり、示談が成立しました。
判決は有罪判決ではあったものの、原審判決が破棄され、減刑されました。
判決の中では、１審の判決が、投資の仕組みを誤解したものであることが指摘され、その内容も是正されました。