事案の紹介
依頼人は、車で走行中、突然警察官に呼び止められ、車線変更禁止の表示を無視して車線変更を行ったといわれた。依頼人は、車線変更禁止の表示の手前で車線変更したので、絶対に車線変更禁止の表示を無視したことはないと主張した。
弁護活動
事件後、事務所に相談に来られ、私選弁護の事件として受任しました。
弁護人は、就任後、実際に事件があったとされる現場まで行き、同種車両のレンタカーを手配して、実験を行いました。２名の弁護人のうち１名が車を運転して実際に依頼人が車線変更を行ったという場所で車線変更を行い、もう１名が実際に警察官がそれを見ていたとされる場所で、車線変更の様子を見るという実験を行いました。
その結果、道の角度や他の車との位置関係などにより、車線変更禁止の表示の手前で車線変更を行ったとしても、警察官がいたとされる場所から、車線変更禁止の表示のある個所で車線変更を行ったように見えかねないことが明らかになりました。
そこで、弁護人はただちにこれを報告書化し、担当の警察官あてに提出しました。その結果、依頼人は当該事件で処分されることはなく、事件は不起訴処分で終了しました。