事案の紹介
依頼者が、被害者に対し、依頼者の家族等に対して行った過去の言動について反省を求めたいとの動機から、車に乗せて身体を縛るなどして数時間にわたり連れ回した事例。
弁護活動
担当弁護士は、国選弁護人として受任しました。
依頼者(30代男性)は、妻(20代女性)から、過去に被害者(20代男性)から暴行を受けたとの相談を受けていました。依頼者は、そのことから、被害者に対して、「懲らしめたい」「反省させたい」との思いを強くするに至り、知人と共に被害者を車に乗せて、手足を縛るなどする逮捕・監禁事件を起こしてしまいました。
弁護人は、依頼者の妻、被害者、被害者の父親等の関係者に順次連絡を取り、事件前までの事実経過や関係者の現在の心境等を把握することに努めました。そして、被害者に面会を申し入れ、被害者宅で、被害者及びその父親と協議し、依頼者の謝罪の気持ちを伝えると共に、慰謝料の提示を行いました。その結果、被害者自身から、事件が起きたことの原因の一旦は自分の方にもあるので、依頼者の処罰は求めない旨の意向を確認することができました。
本件は、事件までの経緯が特異な事案でしたが、被害者を含めた関係者間の協議が奏功したことで、不起訴処分となりました。