事案の紹介
旅客機で帰国して税関で検査を受けた際,手荷物に多量の覚せい剤を隠し持っていたとして,営利目的の覚せい剤密輸で逮捕された事案
弁護活動
営利目的の覚せい剤密輸は,裁判員裁判対象事件です。起訴されれば裁判員裁判で有罪無罪が判断されることになります。
ご本人は無実で,覚せい剤が隠されているということは全く知らず,運び屋として利用されてしまったものでした。
しかし,このように知らないうちに運び屋として利用されてしまった場合でも,経緯や荷物の状況等が不自然で,違法薬物の運び屋に利用されているのではないかと疑われるような場合は,密輸の認識があったとして裁判を受け有罪とされる危険があります。
本件でも,警察,検察は,ご本人の無実の訴えを信じず,取調べで不自然ではないかと追及して供述を迫っていました。
検察官は,取調べで,起訴する,無期懲役もありうるなどと供述を迫り,黙秘権を侵害する違法な取調べを行っていました。
弁護士からは,こうした違法な取調べを即刻中止するよう申し入れを行い,また身体拘束が解かれるよう裁判所にも求めました。
そして,ご本人に連日警察署に面会に行き,取調べの追及に屈しないよう助言を続けました。
最終的に処分としては,不起訴処分となって釈放され,無実の罪で裁判を受け有罪判決を受けることは免れました。